単にへべれけになって飲み続ける男を面白おかしく書き続けていくだけかと思えば、物語のすじの下書きになっているのは様々な物事に対するパロディであったりする(訳者の解説がある程度のその助けになるが、それが全てではない)。これがまたかなりの教養を求められるため、私には中々。様々な文学作品やロシアの事情を分かっていれば居るほど、もっと面白くこの本を読むことができるのだと思う。
ただそこで読者を選ぶような内容ではないと思う。予備知識がなくても十分楽しめる。この本を読んでいて何度声を立てて笑ってしまったことか。訳者の翻訳の言い回しがうまいという理由もあるのだと思う。
本当にロシアというのは酒漬けになっているんだなというのが痛いほど分かる。でもそれがまた悲哀を帯びたやるせなさとしてなんともいえなく響いてくる。もう彼らには飲むことしか出来ないのだ。労働者から官僚にいたるまで、全てがへべれけになって国家が回転している。出口が全く見えないトンネルの中を迷走しながら、ゆるゆると走る列車のようだ。(ついでに読んでる自分も酔いつぶれてしまいたくなる)
結末はまたどうしてこんなことになってしまうのかがよくわからなかったが(解説を読んでようやくフーンといったところ)、この本は面白かった。
しかしメチルアルコールやらオーデコロンをウォッカにまぜてカクテルを造るのって本当にやるのかな。アルコールとなれば何でも飲むというロシア人の究極の逸話には苦笑いさせられた。
この本、面白そうだなと思ったんだけど、amazonめちゃめちゃ高いっすね!
しかも他では売ってるところ発見できないし・・(;_;)
この本知ってるとはやりますねえ。何気に読書家ですか。
ちなみに私は図書館で借りました。
今もってるのは私です、図書館予約しといてください(今回ちゃんと返せる自信がない…)。
横浜市の図書館は蔵書数がハンパねえです。
古典なら大概ありますし。ちなみにこの本もロシア文学の範疇みたいですね。
http://www.lib.city.yokohama.jp/