2007年05月06日

外套・鼻

 ようやくロシア文学に入ることが出来た。別にいつでも読めばよかったのだけど、今回が栄光ある第一作品になる。ゴーゴリの「外套」と「鼻」だ。外套の方が目当てだったけど、どちらかというと鼻の方が面白く読めた。

 外套はNHKでロシア人アニメータが物凄い時間をかけてアニメ化している、という番組を見たことがある。恐らくインターネットで調べれば関連する情報は出てくるだろうけれども、ともかくその独特なタッチのアニメーションが妙にうらぶれた寂しさをかもし出しており、(そういうのが割りと大好きな私の)印象に残っていた。
 卑小な一市民であるところのアカーキー・アカーエウフィッチなる小役人が主人公なのだが、彼のしょぼくれた感じに味がにじみ出ている。確かにこういう人はいるかもなあと、比較的愛着の持てる主人公だが、かわいそうな末路を辿ってしまう。なんとももの寂しい感じの物語なのだ。

 鼻はこのナンセンスな感じがよい。主人公の顔から突然無くなり、ある朝床屋のパンの中から出てきたり、服を着て馬車から降りてきたり…。主人公のあたふたぶりに何度かにやりとさせられた。

 どちらも酒に弱い脇役がでてきて、これがロシアしていてよいなと思った。また官憲の威張り散らしぶり。これもだ。どちらも人間味が出ていて、もうまったくしょうがないなという思いと共に、それに人間臭さと人間っぽさを感じることができる。

 私は酒に飲まれるようなことには幸いなっていないが、人事なのかこういう人たちは好きだ。が、現実世界でこういう人たちが居ると、やっぱり結局迷惑至極だと感じるのだろうな。
 ドイツにいたときブンデスリーガ観戦の帰りの客と鉢会ったはいいが、一人が泥酔状態で電車内で放歌するわ、絡んでくるわで苦笑ものだった。でも日本に居てこういう人はなぜか余り見ない(そういう「世界」にきっと接触が少ないだけで、本当はたくさんいるはずなのだけど)。

 何だか懐かしい感じ、好きな部類のにおいのする物語だが、まあまあ面白かったという感想。うらぶれた感じはピカイチ。やっぱロシア品はいいわ。
posted by 煩悩即菩薩 at 21:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのありがたいお説教の数々
説教をたれてやる
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。