オスマン帝国、フランス、オーストリアの太守と領事をめぐる話なのですが、どっちかというと同じ長いならドリナの端の方が好きでした。相変わらずのアンドリッチ的な諸行無常観、ボスニアというのろわれた不吉な土地が漂う作品でした。
面白かったのが、今までオスマン帝国ってミッレト制で結構なかの民族や宗教はうまくいってたイメージがあったのですが、実はオスマン帝国からの太守も同じ回教徒が嫌っていたという点。そういう先入観があったので、状況把握するまでちょっと時間がかかりました。
ヨーロッパに吹き荒れたナポレオンという大旋風がボスニアという辺境に届き、消滅していく、いつもボスニアはのろわれたまま。そんな感じの物語でした。
個人的にはもうちょっとかなあ。
相変わらず読むのに次官がかかりました。